北海道の日本酒を飲んだこと、ありますか?
北海道では、ついつい杯が進んでしまうほど美味しいお酒のことを「飲まさる酒」といいます。
「飲まさる酒」はどういうルーツをもち、どのような特徴があるのでしょうか。
そこで、北海道在住の利き酒師である筆者が、北海道の日本酒について詳しく解説します。
さらに、北海道の日本酒の辛口・甘口それぞれのおすすめを各3本ずつ、ご紹介しますね。
北海道の日本酒の歴史と代表的な酒蔵
1869年(明治2年)、札幌に北海道開拓使が置かれてから、北海道に本州の杜氏が来道し、酒造りが始まりました。
1998年(平成10年)には、初の酒造り専用の米(酒造好適米)の「初雫」がデビュー。
現在では、「吟風(ぎんぷう)」、「彗星(すいせい)」、「きたしずく」という、酒米主要3銘柄中心の酒造りが行われてます。
また、現在北海道は、酒造会社で全14社、計16蔵を擁しています。
代表的なものでは、札幌市にあり「千歳鶴」が看板ブランドの「日本清酒」。
道内のお寿司屋さんなど、飲食店でよく出される「北の勝」を造る、根室市の「碓氷勝三郎商店」。
ニューフェイスとして、岐阜から移転してきた東川町の「三千櫻(みちざくら)酒造」があります。
北海道の日本酒の特徴
旭川の名酒
— ナナカマド会 (@nanakamado12345) July 15, 2022
男山酒造り資料館
旭川は大雪山連邦の伏流水が豊富で酒造りに適した土地。
北の大地に根差した日本酒です。#旭川Twitter会#北海道#旅行好きな人と繋がりたい#相互フォロー #フォロバ100 pic.twitter.com/S7NaDCSS5o
北海道の日本酒の特徴は、酒米です。
本州ではあまり聞いたことのない、珍しい酒米が使われています。
広大な北海道それぞれの地域の気候や酒造りにあわせ3つの酒米を中心に日本酒が醸されているのだそう。
- 「吟風」
- 「彗星」
- 「きたしずく」
吟風(ぎんぷう)は、現在道内で最も多く造られている品種で、芳醇な味わいのお酒になります。
「彗星(すいせい)」は、タンパク質の量が少なく、淡麗なお酒ができあがります。
「きたしずく」は耐冷性に強く、安定的な生産ができ、やわらかい味わいのお酒に仕上がるのが特徴です。
北海道の日本酒・辛口おすすめ3選
それでは、北海道のおすすめのお酒をご紹介していきます。
まずは辛口からです。
「緑丘蔵(りょっきゅうぐら) 上川大雪 純米大吟醸」
旦那の実家が旭川で、土井商店さんで
— バフ (@buff721) July 4, 2019
去年このお酒に出会ったの🍶
久しぶりに飲んだけど、美味しいね✨
華やかさと綺麗なキレが両立して
まさに雪解け水のような美しさ(´∀`*)
#上川大雪 #純米吟醸 #彗星 #緑丘蔵
#上川大雪酒造 #日本酒 pic.twitter.com/bSUYYYp3FI
上川大雪酒造は三重県から移転、2016年に新設され、帯広市と函館市にも酒造所を持つ蔵元です。
「緑丘蔵 上川大雪 純米大吟醸」は長期低温発酵で仕込まれ、華やかな香り。
バランスのよい上品な味わいの日本酒です。
蔵元 |
上川大雪酒造(上川町) |
アルコール度数 |
16度 |
日本酒度 |
非公開 |
精米歩合 |
40% |
原料米 |
北海道産米 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして |
容量 |
720ml |
税込価格 |
3,850円 |
純米 吟風国稀
国稀 純米 吟風国稀
— さけきゃば🐶🍶🔰 (@sakecavalier) March 7, 2022
さけきゃば一族のルーツの隣町である日本最北端酒造の国稀。ふるさと納税の返礼品であるタラバガニと一緒に食べると🦀の甘さがいっそう引き立ち美味い!次の日単独で飲んだらザ☆日本酒はお味で私には少しキツかったので、道産の食材と合わせて今後も楽しみたい。 pic.twitter.com/zAqGzZWCR0
国稀(くにまれ)酒造は、1882年(明治15年)創業。
日本最北の蔵元で、酒蔵や資料室の見学もできます。
「純米 吟風国稀」は純米酒のこくがあり、後口は爽やか。
中辛口の、淡麗でみずみずしい味わいです。
蔵元 |
国稀酒造(増毛町) |
アルコール度数 |
15度 |
日本酒度 |
非公開 |
精米歩合 |
65% |
原料米 |
吟風 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして |
容量 |
720ml |
税込価格 |
1,257円 |
特別純米 まる田
特別純米 北の錦 まる田 吟風
— 魚雷 (@August_32th) July 7, 2022
特別純米といいながら精米歩合は50%。常温でもいただいたけど、お燗にしたほうが丸みが出て飲みやすい。
と思ってたけど燗冷ましもいい。 pic.twitter.com/1FhiBtzdKq
小林酒造は、1878年(明治10年)創業。
一万坪の敷地内にあるレンガや札幌軟石使用の蔵や記念館は公開されていて、一見の価値があります。
「特別純米 まる田」は米の旨味を大切にした仕上がりで、濃厚な味わいです。
蔵元 |
小林酒造(栗山町) |
アルコール度数 |
16度 |
日本酒度 |
+5 |
精米歩合 |
50% |
原料米 |
吟風 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして、お燗で |
容量 |
720ml |
税込価格 |
1,595円 |
北海道の日本酒・甘口おすすめ3選
続いて、北海道の「飲まさる酒」・甘口を3本ご紹介します。
「北の稲穂 スパークリング」
男山株式会社
— キャサリンたえ (@zQIKEV2XMAW4KNr) August 23, 2021
男山 日本酒
北の稲穂
スパークリング#おうち居酒屋 #家飲み #うちのみ pic.twitter.com/hUKuYCDOUn
男山は、1887年(明治20年)創業。
本社ビルの2階・3階の資料館には昔の道具やVTR放映などがあり、酒造りを学べます。
「北の稲穂 スパークリング」は、超甘口。
爽やかな香りとフレッシュな味わいの、低アルコールスパークリング日本酒です。
蔵元 |
男山(旭川市) |
原料米 |
北海道産米 |
アルコール度数 |
7度 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして |
日本酒度 |
非公開 |
容量 |
500ml |
精米歩合 |
60% |
税込価格 |
1,650円 |
国士無双 にごりもふ
【国士無双 にごりもふ 純米にごり】
— 地酒専門店 むらた酒店 北海道北見市 (@YhiTf3R328Y5UrZ) January 21, 2022
米の旨味とコクを濃厚に少しトロミがあり滑らかな舌触りと優しい甘味が楽しめる新酒ならではの爽快感とスッキリした後味が特徴的です!
720ml 1,430円(税込)#オホーツクTwitter会#北海道 #旭川市 #高砂酒造 #国士無双#北見市 #むらた酒店 #日本酒 pic.twitter.com/H61ZeHNx2H
高砂酒造は、1899年(明治32年)創業。
明治時代に建てられた酒蔵は直売店として利用され、味わいのある雰囲気を醸し出しています。
予約制の工場見学も、おすすめです。
「国士無双 にごりもふ」は、冬季限定販売で、なめらかな舌触り。
飲み口のよい、スッキリしたにごり酒です。
蔵元 |
高砂酒造(旭川市) |
原料米 |
吟風 |
アルコール度数 |
14度 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして、ロックで |
日本酒度 |
-25 |
精米歩合 |
60% |
容量 |
720ml |
税込価格 |
1,375円 |
カムイトノト
カムイトノトというアイヌ民族の儀式に用いられていた伝統酒。
— 丹頂鶴 (@maverick_macho) January 9, 2021
非常に美味しくて飲みやすいが、店舗では小樽と白老でしか買えないという。 pic.twitter.com/ze7QrA1oDz
田中酒造も、1899年(明治32年)の創業。
本店と同じ小樽市内にある亀甲蔵(きっこうぐら)は製造所の見学ができ、ガラス越しに見える麹室や仕込みタンクの様子を間近に感じられます。
「カムイトノト」はアイヌ民族の伝統のお酒を復刻したもの。
「カムイ」はアイヌ語で「神」、「トノト」は「酒」という意味です。
ボトルのデザインも、アイヌ民族の着物の文様がイメージされています。
ほどよい酸味と心地よい甘味のある、どぶろくに似た甘口のお酒です。
蔵元 |
田中酒造(小樽市) |
原料米 |
ひえ、米麹 |
アルコール度数 |
10度 |
おすすめの飲み方 |
よく冷やして、ロックで |
日本酒度 |
非公開 |
容量 |
300ml |
精米歩合 |
非公開 |
税込価格 |
1,100円 |
北海道の日本酒はおいしい!見かけたらぜひ飲んでみよう!
北海道の日本酒の特徴は、それぞれの地域の気候や酒造りにあわせて、ベストの酒米が選ばれているというところです。
酒米は「吟風」「彗星」「きたしずく」が多く、それぞれに味に特徴があります。
北海道の日本酒「飲まさる酒」を選ぶとき、ぜひご参考ください。
お米の種類別の飲みくらべというのも面白く、おすすめです。
ぜひ参考にしてくださいね。