日本酒は何合くらい飲んでいいものなのでしょうか。アルコールを飲める量はかなり個人差があるものですが、実は具体的な数値が適量として定められています。今回は、日本酒の適量や日本酒に含まれるカロリー量、悪酔いしない方法について解説します。
日本酒の適量はどれくらい?
実は、日本酒の適当な飲酒量は、厚生労働省が指標としてしっかりと明記しています。2013年よりスタートした国民健康づくり運動である「健康日本21」の第二次内において、日本酒の1日あたりの適当な摂取量は、純アルコールで20グラムが目安となっています。
この純アルコールをどれくらい摂取したかは、「摂取量(ml) × 度数または % / 100 × 0.8(比重) = 純アルコール量(g)」という計算式によって求めることができます。
一般的なアルコール度数の日本酒一合分をあてはめて見ると、180(ml)×0.15(度数)×0.8で21.6gの純アルコール摂取量となります。
つまり、日本酒換算で一合分に相当する180ミリリットルが、一日の純アルコール摂取量をぎりぎり超える量だということが分かるでしょう。
もちろん、一口に日本酒といってもアルコール度数もさまざまなので、それぞれの銘柄に合わせた飲み方をするのが好ましいといえます。
また、この量は一般的な成人男性に当てはまる日本酒の飲酒量であることを忘れてはいけません。同じく厚生労働省が定めている飲酒のガイドラインによれば、女性は男性よりも少ない量が適当であるとしています。
なぜなら、男性と比較して一般的に女性は平均体重と体脂肪率が高く、体重に占める総水分量が少ないため。そのため、女性が男性と同じ量のアルコールを摂取した場合、血中アルコール濃度が高くなり、アルコールの分解速度も遅くなることが分かっています。
以上のことから、女性は男性の飲酒量よりも1/2から1/3の量が目安であるとされているのです。
日本酒のカロリー量とは
ビールやウイスキーにカロリーがあるように、同じく日本酒にもカロリーがあります。日本酒の原材料は酒米です。日本酒の製造に適したお米ではありますが、それでも炭水化物を多く含んだ米であることに間違いはありません。
日本酒のカロリー量について、文部科学省が発表している日本食品標準成分表を見てみると100ミリリットルあたり、およそ100キロカロリーとなっています。
徳利一本分に相当する180ミリリットル換算だとおよそ170キロカロリーとなり、普段食べている一般的な白米のカロリーが100グラムでおよそ170キロカロリーであることを考えると、白米よりはカロリー量は低いことが分かるでしょう。
では、他のアルコールと日本酒のカロリー量を比較してみます。まず、ビールのカロリー量は銘柄によっても上下しますが100ミリリットルあたりおよそ40キロカロリーです。そのため、同じ量の日本酒と比較するとビールのカロリー量は、およそ半分であることが分かります。
次にワインと比較します。一般的なワインのカロリー量は100ミリリットルあたり、およそ70キロカロリーほど。カロリー量はビールよりは高く、日本酒よりは低い数値となっています。
また、ウイスキーを見てみると、サントリーが公表している栄養成分一覧によると、ジャパニーズウイスキーとして知られている『山崎』で、100ミリリットルあたりおよそ240キロカロリーです。手軽に購入できるウイスキーとして定番の『角瓶』で、100ミリリットルあたり223キロカロリーとなっています。
カロリー量はアルコール度数に比較する傾向があるため、日本酒のカロリー量はワインとウイスキーの間に位置しているといえるでしょう。とはいえ、カロリーが低いからといってビールのように大量に過剰な量を毎日飲んでしまうと、アルコール依存症になりかねないので注意しなければなりません。
悪酔いしない日本酒の飲み方
せっかく美味しい日本酒なのですから、次の日に残ってしまって二日酔いで動けないというのは誰しもが避けたいところでしょう。ここでは、日本酒を飲んでも悪酔いしない方法をご紹介します。
少しずつ楽しむ
ワンカップ等、瓶詰にされている日本酒もありますが、おちょこなどの小さな器で少しずつ飲むことで深酒を避けることが可能です。
ぐい呑みや大きなグラスに、一升瓶から直接注ぐとついつい飲みすぎてしまいかねないので注意が必要です。
また、徳利やおちょこを使う利点としては、自分が飲んだ量を把握しやすい点も挙げられます。日本酒を毎日飲むという人であれば、お気に入りの酒器を購入して、鑑賞しながらちびちび飲むのもオツなものです。
常温ではなく燗を付ける
悪酔いを避けるためには、日本酒を常温ではなく燗を付けて飲むのもおすすめです。なぜなら、燗を付けることでアルコールの吸収が早くなり、少量でも酔いを感じやすくなるため。
さらに、燗を付けることで適度にアルコールが飛び、味が丸くなって飲みやすくなるというメリットもあります。
和らぎ水を忘れない
日本酒単体でぐいぐい飲み進めてしまうと、ほとんどの場合で悪酔いしてしまいます。そこで用意しておきたいのが和らぎ水です。
これは、洋酒を飲む場合に用意されるチェイサーと同様、お酒の間に水を飲むことでアルコールの飲みすぎを予防してくれる効果が期待できます。
水を飲むことによって血中のアルコール濃度を下げる他、脱水症状を防いでくれる効果もあるのです。
適量を知って、楽しく日本酒を楽しもう
一般的な成人男性で、日本酒の適量は一日に一合分です。女性なら、更にその1/2から1/3となります。カロリー量やアルコール度数も、それほど高い数値というわけではありませんが、それでも飲みすぎには注意した方が良さそうです。アルコールの適量は大きく個人差があることでも知られていますが、悪酔いしない方法を知って楽しく日本酒を楽しみましょう。