宮城の日本酒「日高見」は、特に魚介類に合う日本酒として、全国の日本酒ファンから支持を集めています。
中でも、ひょうたんをかたどったボトルや、毎年発売される干支ボトルは、発売直後に完売するほどの人気です。
東日本大震災による地震で、「平孝酒造」は甚大な被害を受けました。
震災直後、仕込み蔵は地震の揺れの激しさから、醗酵中の醪(お酒)がタンクから溢れ、床一面に白い絨毯を敷き詰めたのかのような情景だったそうです。
震災直後に発売した日本酒に名づけられたのは、「希望の光」。
「明けない夜はない」というラベルも付けられたその日本酒は、震災から丸10年経った2021年に、限定再販もされ、話題となりました。
この記事では、人気の「ひょうたん」や「干支ボトル」、「希望の光」を中心に、日高見について詳しくご紹介します。
ひょうたんボトル
日本酒の日高見、華やかで米の甘さを充分すぎるくらい感じられる高級な日本酒
— 梅酒 (@ume_py) September 3, 2022
ひょうたん型の黒いボトルが美しい… pic.twitter.com/fnvbppn3yd
「日高見 中取り 純米大吟醸 黒の瓢箪ボトル」は、コロナ終息に願いを込めてリリースされたお酒です。
ひょうたんは、無病息災のお守りといわれていることから、この形になりました。
最高峰の原料米を使用し、中取りという、特に雑味の少ない部分を瓶詰めして造られた特別品です。
山田錦の柔らかく奥行きのある味わいが前面に出た逸品。
生産数もごくわずかのため、非常に希少価値が高く、争奪戦になっています。
干支ボトル
わたしは日高見の干支ボトル飲むよ。ホタルイカの干したやつおいしい。良いお年を pic.twitter.com/jGduwl4pK3
— 編み込み男爵(さち) (@Baron_kunio) December 31, 2021
「日高見」を醸す「平孝酒造」では、毎年干支ボトルを発売しています。
その年の干支が、ベネチアンガラスに彫られているというとても凝ったボトル。
見た目もおしゃれで高級感があり、まさにお正月にぴったりです。
希望の光
平孝酒造 日高見 純米吟醸 希望の光 ~明けない夜はない~。東日本大震災に罹災した醪から作られた「希望の光」を、節目の年に再リリースすると聞き、入手出来ました。後味に甘みが来ますね。 #日本酒#平孝酒造#日高見#希望の光 pic.twitter.com/BssypuCIdu
— 月詠鈴音 (@Suzune_Tukuyomi) March 13, 2021
東日本大震災直後の2011年(平成23年)5月が初リリース。
震度6強の激しい揺れの中、何とか奇跡的に持ちこたえたタンクのお酒が瓶詰されました。
このお酒は、復興への願いを込め「希望の光」と命名されました。
売り出されると、蔵元を応援するファンたちが購入し、あっという間に完売したということです。
「希望の光」は、2021年(令和3年)に再販されました。これは、コロナというまた別の大きな難局を乗り越える希望となればという願いが込められました。
香りは穏やかで、ソフトな口当たりが特徴です。
※2021年リリース分は完全予約商品で、現在完売しています。
「日高見」の販売店
平孝酒造にはホームページがなく、「日高見」がどこで買えるのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。
平孝酒造に問い合わせたところ、全国に約130店舗の販売店があるということです。
自分が住んでいるところに近い販売店を教えてもらえるので、ぜひ飲んでみたい!という方は一度酒造へ電話してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、地元・宮城県内にある代表的な販売店は以下になります。
- 「四釜(しかま)商店」(石巻市)
- 「阿部八(あべはち)酒店」(仙台市)
四釜商店にはネット通販もありました。
また、阿部八酒店はInstagramがありました。
地方発送可とのことですので、希望の商品を問い合わせてみてはいかがでしょうか。
「日高見」の読み方と名前の由来
「日高見」は、「ひたかみ」と読みます。
日高見とは、東北地方の古来の呼び方。
日本書紀に、太陽の恵みを受ける「日高見国」の記述があります。
その地元の原料を使って、全国に誇れるようなお酒を、との思いで名付けられました。
「日高見」の蔵元
「日高見」は、1861年(文久元年)創業の、平孝(ひらこう)酒造が醸す、宮城県石巻市のお酒です。
平孝酒造はもともと、地元向けに普通酒「新関」を造る蔵元でした。
全国に通用する酒造りに挑戦した、後継者の平井孝浩氏が1990年(平成2年)に生み出したのが、「日高見」です。
コンセプトは「楽しめる、おいしい酒」
お酒そのものの味の主張は控えめに、お料理の味を引き立てるようなお酒を目標に造られたという「日高見」。
コンセプトは、「酔うための酒ではなく、楽しめるおいしい酒」だそうです。
石巻は漁師町で、世界三大漁場のひとつ「金華山沖」が近く、さまざまな海の幸が獲れます。
その地元の魚を使ったお寿司と一緒に味わうのにぴったりのお酒として、「日高見」は地元からも支持され、蔵元の平井さんは「寿司王子」との愛称があるほどだそうですよ。
まとめ
東日本大震災で甚大な被害を受けた「平孝酒造」。
震災直後に発売された「希望の光」は、蔵を応援する多数の人の気持ちが集まり、あっという間に完売したそうです。
コロナの終息を願って発売された、ひょうたんボトルや、毎年発売される干支ボトルも人気の「日高見」。
酒の特徴は、魚介類を存分に引き立たせる味わいです。
ぜひ、海の幸と合わせてみてはいかがでしょうか。