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広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター(広島県)

製造元情報


製造元名:広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター

銘柄:明魂

所在地:広島市南区比治山本町12-70

HPhttps://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/26/

明魂のタンク

明魂が醸造されているタンク


「明魂」(めいこん)という日本酒を聞いたことはありますか?
明魂は、酒造で造られた日本酒ではありません。広島県立総合技術研究所 食品工業技術センターという研究機関で造られています。
研究用に造られたため、一般的に流通しない珍しい日本酒です。
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センターは「広島県の日本酒を世界中に広め、消費量を増やす」という目的を持って研究開発をしています。
日本酒の製造・販売が許可されている公設試験研究機関は、全国の中でも広島県と新潟県だけ。明魂は、研究開発の一環として造られる「試験酒」であり、非常に稀な存在です。

試験酒「明魂」

明魂純米吟醸


明魂は、試験醸造後にデータを取った後、広島県内の酒造や一般消費者にも販売されます。販売には、研究費捻出や研究成果の披露という意味もあります。
新しい酒米を試したり、酵母を開発したりしたことで出たデータは、県内の酒造に配布され、より良い日本酒造りに活用されます。
原料米・精米歩合・酵母・種麹等が毎年変わるため、同じ「明魂」でありながら味や香りが年度により全く変わるのも興味深いところ。
明魂が販売されるとすぐに売り切れるほど、コアな日本酒ファンの間では有名な銘柄です。

海外を見据えた研究

広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 大土井さん

広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 生物利用研究部長 大土井さん


広島県立総合技術研究所 食品工業技術センターでは、高温に耐えうる日本酒の開発も行われています。海外でもっと広島の日本酒を流通させるためです。
海外にはクール便などのコールドチェーンがありません。高温下で日本酒を輸送すると、味や香りが劣化してしまいます。
高温に耐えうる日本酒開発の基盤には、海外の人により美味しく日本酒を味わってもらいたいという想いがあります。
国内の日本酒市場は減少傾向にあり、海外市場の開拓に目を向ける酒造は少なくありません。
高温に強い日本酒が開発されれば、広島だけでなく日本中の酒造に与える影響は非常に大きいでしょう。
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センターの取り組みに、今後も注目したいですね。